あれから、もう半年以上経つんだなぁ。
目標地点は見えてるのに、なかなか道が険しくてね。
思ったように進めなかったころでした。
福岡にASKAバンドの面々が結集したんですね。
「Too many people」が、やっと、13曲入りに決定したときでした。
ピアノのチカちゃん(澤近泰輔)と、同じ飛行機で、
福岡に向かいました(僕は「帰りました」だな)
最後に出来上がった曲「FUKUOKA」の、アレンジ打ち合わせを、やったのは、
レコーディング二日前。
まだ、歌詞はできていませんでした。
それまで、歌詞は、過去を振り返っても、こんなペースで仕上がったことがなく
「Too many people」に収められた楽曲のほとんどが、4時間以内でした。
やはり「FUKUOKA」も、3時間程度で書き上げましたね。
福岡に着き、チカちゃんとスタジオに向かうタクシーの中で、
運転手さんが、すぐにこう話し始めたのです。
「いやー、ホークスが~」
顔を、見合わせましたよね。
「歌詞と、そんまんまじゃないですか(笑)」
「だろ?(笑)」
歌詞は「情景描写」と「心理描写」を、うまく絡み合わせながら、
作品になりますが、気づいたことがあったんですよ。
歌詞の持つ強さは、もちろん、歌い手によって変わるのだろうけれども、
それだけではないことに。
よく、ここで使う言葉ですけど、
歌詞とは「気」を込めるものだと。
言霊は歌詞にも宿っていきます。
それなりに言葉を並べ、後は、テクニックさえあれば、
歌詞らしきものにはなりますが、それでは、そこまでです。
30数年間を振り返り、
「自分は、何に拘ってきたのか」
と。
景色だけでは、歌詞にはならないことは知っていました。
歌詞の完成度(自分が思う)が、俄然高まるのは、
完成となる3,4時間前なんです。
それが、1日だろうが、1週間だろうが、1ヶ月だろうが、
振り返ると、いつも出来上がる3,4時間前に、歌詞が急激に変化します。
これは、ここで語るには時間がかかることなので、今は、語れません。
その、3,4時間の精神状態に、自分を持って行くことに、
持って行けることに気がついたんですね。
今回の「Black&White」の中の楽曲も、ほとんどそうです。
なぜ「ほとんど」なのか?
今から、新曲の歌詞を書くからです。
1曲は、もうこれを洋楽と言わねば、どれをそう言うんだ?
と、いう曲。
1曲は、サビが、ただ
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
と、上がって行く曲なのですが、ここに、分かり易い言葉で、
気持ちを共有できるものにしたいと。
そして、最後の1曲は、先日、お伝えした「ABBA」のような曲です。
「ABBA」のウキウキした世界観ではありません。
哀愁の方ですね。
さて、言ってしまったよ。
明日は「ASKAバンド」「C&Aバンド」のメンバーが、混じっての、
リズム録りです。
歌詞があれば、褒められますからね。
褒めてもらいたい。
褒めさせてみせる。
これより、籠ります。
「気」を込める状態に入ります。