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TOKYO FM「Terminal Melody」〜第2回放送

今週は、


「晴天を誉めるなら夕暮れを待て 」

「MY Mr. LONELY HEART 」

「はじまりはいつも雨」

の、3曲でしたね。

「晴天を誉めるなら夕暮れを待て 」は、
ソロ活動を、レコード会社「東芝EMI」に移籍しての第一弾シングルでした。

あの頃は、まだCD市場も賑やかでした。

1月1日「元日」の真夜中でも、参拝客が参拝を終え、
CDショップに立ち寄って、楽曲を購入するという時代でした。

なので「どうせなら」と、リリースを元日にしたのです。

リリース後、フジテレビ「月9」のプロデューサーから、

「どうして、アプローチしてくれなった?何があっても主題歌に起用したのに」

と、真顔で言ってもらったことをよく覚えています。

なぜ、アプローチしなかったのか。
うん、ドラマ主題歌としてヒット曲になることへの抵抗があったのだと記憶しています。
今、思えば、つまらないプライドでしたね。

でも、どのアーティストもそうだと思います。

その時の自分と世間での立ち位置、見え方には慎重になるものです。
あの時は、そのような気持ちでした。

「MY Mr. LONELY HEART 」は、ジャネットさんが紹介してくれましたように、
ソロ活動始動、初のソロシングルでした。

年末ドラマ「新撰組」のテーマ曲でした。

「時代劇のテーマ曲の常識を破ってみよう」と、
楽曲のタイトル、そして、歌い出しを日本語にしませんでした。

冒険は楽しい。
それは、今も変わっていません。

「テレビ朝日」のスタッフから、

「一度、侍姿をしてみませんか?
ドラマを観てる人を、一瞬驚かせてみましょうよ。何食わぬ顔で画面を素通りしてみませんか?」

話を持ちかけられ、

「それは、面白かもしれない」

と、引き受けたんですね。

引き受けたが最後、「画面を素通り」ではなくなり、
「伊藤博文」改名前の「伊藤俊輔」の役となり、そのために脚本は変わるわ、セリフはあるわで、
京都、撮影村「太秦(うずまさ)」に4〜5日居たんじゃないかなぁ(笑)

良い思い出です。


「はじまりはいつも雨」は、
パナソニックのカセットプレーヤーのタイアップ曲でした。

そう。
何度もお願いされ、「15秒でいいなら、その部分だけを」と、お引き受けしました。
しかし、楽曲作りにおいて、僕が「15秒」な訳がない。

1曲、ほぼ完成しておきました。

僕は、楽曲のサビ

「今夜君のこと誘うから空を見てた」

を、スポットにするつもりだったのですが、
広告代理店、そしてパナソニックから、

「Bメロの『君は本当に僕を愛してるかい』にしてくれないだろうか」

と。

何度か、お互いのやり取りを行なったのですが、
双方、引かない(笑)

なので、

「そこまで気に入ってくれてるのだったら、光栄なこと。
お任せします」

と、いうことであのCMとなったわけです。

スポット初日から、問い合わせ続出でした。
当時は、ネットがない時代です。
テレビ局に、じゃんじゃん電話が入るわけです。

急遽、シングルリリースとなりました。

すでに作曲中、この楽曲に手応えを感じていましたので、
そのようなことになるのではないかとの気持ちもあり、
1曲として完成させていたという裏話があります。

「急遽レコーディング」は、本当です。
なぜならば、カップリングを作らなくてはならない。

あの頃、中国の「天安門事件」があった。
そして、イラクによる「クウェート侵攻」から「湾岸戦争」が起こりました。

「朝鮮戦争」は、子供の頃に知っていました。
しかし、隣の国の出来事でありながらも、遠い国での戦争のようにしか感じていなかった。

大人になって、初めて「戦争」というものを見たんですね。

「天安門事件」「湾岸戦争」

ドラマじゃない、映画じゃない。
現実に起こった、そして起こっていること。

何にもできない自分・・・。

そこで生まれたのが、

「君が愛を語れ」

でした。

本日も、良い時間を過ごさせてもらいました。
来週から、皆さんのリクエストが反映されるんですね。

今から、来週が楽しみです。


ASKA(2021/2/15 1:03)