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絶体絶命。

あれは、1996年。いや、97年。いやいや、98年。ちょっと待って・・・プレイバック。


99年・・・。



どうでもいいです。


忘れました。その辺りの話です。



それは、その国の首都。その首都のメインストリートから一本脇道に入ったところにそびえ立った、誰もが知っている有名ホテルでした。


その日は、早朝から写真撮影が行われ、19時頃にホテルに戻ってきたのです。


僕は、万年肩こりのため、肩こりから頭痛が起こることも珍しくありません。


ホテルの自動ドアをくぐると、すぐ右側に横長のフロントカウンターがありました。



「おかえりなさい。」


「はい。今夜、マッサージを呼んでもらえますか?」←←←デタ!!


「何時頃にいたしましょうか?」


「22時にお願いいたします。」



それから3時間後~



「ピンポーン。」



ドアを開けたら、女性でした。部屋へとおします。二言、三言、声をかけたのですが、


無反応でした。英語が通じませんでした。


まぁ、しょうがないでしょう。別に、会話は必要ありませんので、僕は、すぐさまベッドに倒れ込みました。



「◯×□△。」


「はい?何?」


「◯×□△。」


「何?なに?」



女性は、Tシャツを脱げと言ってるようです。珍しいですね。裸になれとは。


この国の習慣なのでしょう。


僕は、Tシャツを脱ぎ、再びベッドに向かおうとしたのですが、



「うーん、うん、うん!!」



そんな声を上げながら、下を脱げというポーズを始めました。



「えっ?うん?」


「うん。」



日本では、パンツ一枚になってマッサージを受けることはないので、


躊躇しましたが、ここは異国。 郷に入っては郷に従え。


僕はボクサーパンツ一枚で、マッサージを受けました。ヨカッタ・・・。


ブルマ型のパンツじゃなくて。黄緑色じゃなくて・・・。



予定の、約1時間が終わりましたが、こりがほぐれていないのです。


その夜は、不完全燃焼でベッドに入りました。


翌日も、朝は早かったですね。写真は、朝の光がいちばん奇麗に撮れるものなのです。



撮影が終わったのは、18時過ぎ。そのまま食事に行き、ホテルに戻ったのは20時半頃でした。


僕は、その日もマッサージを頼みました。



「すみません。男性をお願いできますか?」


「男性ですか?」


「はい。男性を。」


「女性ではダメですか?」


「男性がいいんです。」



僕を、ジロジロと見ています。フロントマンは、奇妙な笑みを浮かべながら、



「分かりました。用意させてもらいます。」



なんだ?あの笑みは・・・。



その日も22時からとなりましたが、その日は、打ち合わせをしようということになりまして、


スタッフ全員が僕の部屋に直行しました。


打ち合わせが終わったのは21時半。さっさと、部屋の片付けをして、シャワーに向かいました。


しかし、このシャワーが問題で、適温にならないのです。少し回すと熱湯になるし、


少し戻すと水になる・・・。


ついには、熱湯を溜め、水を注ぎ、バスタブの中で、頭をつけ、髪を洗いました。



風呂から出ると、もう22時でした。



「ピンポーン。」



真っ裸です。僕は、バスタオルを腰に巻き、あわててドアを開けました。


そこに立っていたのは、完全な男でした。デカい・・・。


砲丸投げ選手のようにいかつい。ニコっと笑っています。



僕は、すぐにスウェットを着て、用意をしました。


また、どうせ脱がされるのだろうと思いましたが、男は、脱げとは言いませんでした。


何だったんだろ?昨日は・・・。やはり、言葉は通じません。



そして、マッサージは始まりました。僕は、うつ伏せになっていました。


男は、太ももからもみ始めました。


そして、足の裏を揉んでいたのですが、ふとマーーサージを止め、


なにやら、持って来ていたカバンの中に手を入れています。


気にしませんでした。それより、眠気がきていましたから。



そして、足の裏を揉み始めたのですが、感触が違うのです。ヌルヌルしてます。


オイル?


それを、足の裏いっぱいに伸ばすようにした後、また、マッサージを止めました。


それから3分ほど、沈黙がありましたかね。喋りかけても通じないわけですから、


もう黙っていました。



そして、僕は首の向きを変えようとしたのです。そのときでした。


あれ・・・。動かない・・・。なんで?


まったく動かないのです。驚いて起き上がろうとしたのですが、できません。


身体が動かないのです。



サビは突然やって参りました。


男が背中に乗っかって来たのです。僕のTシャツを脱がせようとしています。



「おい、おい、おい!!



と、言ってみたところで、声にもなっていません。上半身、裸にされてしまいました。


何が起こっているのかぐらいの見当はつきます。初めてです。心構えもないのですから。


いや、そうではなくてぇ・・・。



「まずい・・。異国で。とうとうか・・・。」



いや、日本でだって同じです。じょーじゃんじゃない!!



「え?何だ?せ、背中、舐めてるーう!?」



絶対絶命です。こっちは無抵抗。その上、相手は、デカいホーガン投げ選手なわけですから。


か、身体が・・・う、動かない・・・。


とうとう、ホーガンの舌が首筋まで・・・。そして、横顔、唇まで、・・・。


とうとう舐められてしまいました。マジ、まじヤバいです。



そのときでした。この身体が動かない感覚。何かに似てると。


それは、金縛りでした。中学生のころから始まった金縛り。僕はレジェンドです。


金縛りのときに、声を出すことや、身体を動かす技を得とくしていましたので、


それを使ってみたのです。



「うぉー、うぉー!!」←ノー、ノー!のつもり。


「うぁうぇうぉー!!」←やめろー!のつもり。



それでも、ホーガンは止めません。


僕は,、渾身の力を振り絞って左手をホーガンの顔に向かって振りました。


手首だったと思うんです。当たりました。ホーガンの鼻に。



その動作をやったことによって、しびれた身体が、少し戻ってきました。


一瞬ホーガンがひるんだスキに、 僕は立ち上がることができたのです。


ふらふら、よろよろでした。ホーガンは殴られた上に、


僕が立ち上がったことに驚いている様子でしたが、すぐにバッグを持つと、



「ソーリー、ソーリー。」



なんで、ここだけ英語なんだよ!!



「うぇいうぉ、うぁうぇうんばうぇ!!」←英語喋るんじゃねぇ!!のつもり。



ドアを閉めて、逃げるように立ち去って行きました。



いやぁ。もうちょっとで、あっちの世界を見てしまうところでした。


しかし、こちらにも落ち度というか、それを誘導させるできごとがあったのです。



まず、フロントに男を要求した。二番目に、男を裸で迎え入れた。


三番目に、僕の部屋にメイク道具があった・・・。



体制は、こちらが整えてしまったのです。


今でも、あの背中を舐められた感覚は忘れません。


そして、横顔、めくられた唇・・・。



と、まぁ、このような海外体験があったわけですが、


この話をすると、男全員が言います。



「その、ヌルヌルと塗られたやつ、手に入りませんかね?」



そこかーい!!



ASKA


COMMENT

絶体絶命。のコメント

  • ニックネーム:Ponyocaffe
    ASKAさん、おはようです🐥☀

    座布団10枚です😊
  • ニックネーム:marunya
    こんばんはーー!!
    笑いを求めてこの記事読みに来ました(笑)
    ほんと面白~い(≧∇≦)
    最近入った小さいイライラ事の積み重ねで
    ストレス溜まってるので、うまく抜けました(*゚▽゚)ノ
    最近のブログレスで、『ASKAロス』ですが、
    またヒョコっと現れて、
    面白い記事書いてくださいね(*^^)v
  • ニックネーム:Ponyocaffe
    きゃははー😄

    おもしろーい👏👏👏
  • ニックネーム:morinagaonigiri
    おいマッサージ師!

    私に代われ!!!
  • ニックネーム:ponsukeyaro
    ちょっとサービスが過剰過ぎましたね。。

    身の毛もよだつ貴重なお話ありがとうございました(><)
    笑い話で済んでよかったです(笑)

    そういえば、タイ古式マッサージで「ジャップカサイ」と呼ばれる○丸マッサージもあるというのを思い出しました。歴史がある、伝統の奥義みたいです。

    世界にはいろんなマッサージがあるんですね。