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ジェットの音に耳を塞いだ

福岡の実家の窓からは飛行機のお腹がよく見える。
僕の家は、ちょうど航空路の真下にあるみたい。

子供の頃の飛行機の音はもっと大きかった気がするなぁ。
飛行機が過ぎるまで家族では会話ができなかったし、小学校の授業でも先生がそうだった。

日本は高度成長期の真っ只中。
飛行機の騒音問題を国が取り上げ、その対象となる家には「防音工事」、そして一家に一台「クーラー」を設置してくれた。

家に初めて「黒電話」が来た翌年に「クーラー」。
当時は「高度成長期」など知らなかったけど、自分の家の暮らしがどんどん豊かになって行ってるのを感じた。

小学校入学時、家の前の道路は「土道」だった。
台風になると、御笠川が氾濫して、家の前の道に魚が泳いでいたこともある。
そして、堤防が強化され、3年生の半ばには、その「土道」に「砂利」が敷かれた。
子供の頃の靴は底が浅く、その砂利を歩いて学校に行くのが大変でね。

自転車も、よくパンクしたなぁ。
そのうち子供たちは、自分で自転車のパンク修理ができるようになった。
砂利って、尖っているのでパンクは自転車だけに限らず、車、バイクも。

しかし、それも1年後にはアスファルトになった。・

大人になって知った「高度成長期」という言葉。
自分の暮らしが豊かになっていったことの答え合わせだった。

1990年過ぎ、初めて中国に行った時、中国であの頃の景色に遭遇した。
「土道」でね。
目の前の角から、子供時代の自分が飛び出してくるような不思議な気持ちになった。

向こうの取材では、失敗したな。

「初めての中国はどうですか?」

という質問に対し、

「懐かしい景色を見せていただき、胸がいっぱいです」

と、答えてしまった。
失礼だよね、中国の方に対し。

あ、まただ。
このブログを書いてる間に、もう4機以上の飛行機が通過して行った。

まだ、クーラーのない頃、夏にはどこもドア、窓は全開だった。
吹き抜けていく風が気持ちよくてねぇ。

あ、また来た。
そうそう、あの頃は、ジェットの音に耳を塞いでたよ。


ASKA(2023/11/24 13:55)

COMMENT

ジェットの音に耳を塞いだのコメント

  • ニックネーム:kazumi1224
    ASKAさん
    久しぶりのご実家でのゆったりした雰囲気と時間に包まれながら、子供の頃に聞いたジェットの音を懐かしみながら、ASKAさんの記憶のページを捲るこのブログ、読んでいてASKAさんの子供の時代を垣間見れたようで私自身も心から凄く嬉しい気持ちになります。
    ASKAさん、子供の頃の貴重なお話ありがとうございます。
  • ニックネーム:GOO
    💓
  • ニックネーム:I feel so good
    「初めての中国はどうですか?」「懐かしい景色を見せていただき、胸がいっぱいです」
    確かに日本🇯🇵の方が上でした。今や下の立場になってしまい
    モビリティショーでも安い価格の大衆車🚗が有りました。生活にしつような車にハイクラスはいらないなぁと感じました。
  • ニックネーム:Sakuranotsubasa
    ASKAさん、お帰りなさい😆✨

    そして、貴重なお話し、本当にありがとうございます!!

    洪水の御笠川に、馬が流されていたお話しは、本当にびっくりしました😱😱😱
  • ニックネーム:Le Ciel Bleu
    福岡は民家の上空を飛ぶので、迫力はありますよね。過去に空港移転の話もあったみたいですけど、どうなったのでしょう😅

    異国で懐かしい景色と言えば、IKKOさんが韓国を訪れた時に、原風景を見た気がして泣いたとか。

    昔は窓を開けて寝てましたね。
    今では信じられないことですが…