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「Jupiter」

鮮烈なデビューだったな。
「平原綾香」さん。

当時、

「こんな方法（デビューの仕方）もあるのか？」

と、思ったと同時に「彼女にしか歌えない」と深く感心したのを覚えています。
壮大な「木星」、それを神秘にチャーミングに歌った。

間も無く、澤近泰輔が彼女のサポートを務めました。
確か、リハーサルだったかレコーディングの翌日だったか、それとも当日だったか、
もう歌の素晴らしさは、周りから散々賞賛されていたでしょうから、
イタリア人の僕は澤近に、

「顔が好きだと伝えておいて」

と、言ったんだよな(笑)

それからも、ずっとお会いすることはありませんでしたが、
ここ２年、僕の人間関係が彼女とぐっと近くなった。
そうですね、言うなれば、僕も彼女も応援者だな。

それ以前には、彼女のお父様がC&Aの楽曲を演奏してくれていましたからね。

先週、今週と平原さんのお父様が亡くなった話をしてくれた。
僕も、ほぼ同時期に「菅沼孝三」の治療で、孝三と一緒になって戦っていましたから、
聞こえてくる彼女のお父様のご病状は他人ごとではなかったんですね。

僕は「家族」とも呼んでいた孝三を失い、彼女はお父様を失った。

出会いは突然。
スタジオのロビーのドアを開け、数歩歩いた瞬間に、隣のスタジオから平原さんが出てきた。

「バッタリ出くわす」

そうですね。
本当に、そんなタイミングだった。

僕の乗ったタクシーが信号ひとつ、青で通過していても、赤で止まっても、
その「バッタリ」の瞬間はなかったわけですから。

ふたり同時に驚いた。

その後、富山のライブでご一緒するわけです。
そのライブは、僕にとって旅の10日目。
富山のお客さんには、申し訳ない歌を聴かせてしまった。

あの日のライブは、僕以外、皆さん素晴らしいパフォーマンスだった。
出演順というものがあります。

あの日、あのライブに来てくださったお客さんを、しっかり彼女が掴んでくれた。
彼女の歌が、あの日の「柱」になってくれました。

その「柱」までのバトンをしっかり他の出演者が繋いでくれた。

不思議なもんですね。
それまで、ずっとお会いしていなかったのに、
一度の出会うと、その後、トントントンとお会いするようになった。

そういうことってありますよね。

そして「Terminal Melody」のゲストですからね。

先週は、彼女の口から「祥太」の名前まで出てきた。

すごく近いんです。

彼女、何オクターブ声が出るんだろうな？
低いところから高いところまで、しっかり歌えるシンガー。

はい、約束通り、今度お食事に行きましょう。
たくさん、音楽を語りましょう。

先週、今週の二回に渡ってのゲスト出演。

「平原綾香」さん、

ありがとうございました。


ASKA(2022/7/17 25:01)