BLOG

第59回「Terminal Melody」〜ゲスト「ビビる大木」君

先週の選曲

「月が近づけば少しはましだろう」

そして、今週は

「THE TIME」

でしたね。

「ビビる」がウチに遊びに来てくれることになったのは「ゴリけん」がキッカケなんです。

「同じ事務所で、自分が辛い時、いつも助けてくれたのがビビるさんなんです。
一緒にライブにも行ってました。今度、ビビるさんとお邪魔してもよろしいでしょうか?」
「もちろん、俺もビビるに会いたいよ」

ビビるは、飲まなかったんじゃないかな?
ゴリけんだけが酔っ払っていたから。

もちろん、僕もお酒が飲めませんので、
ロレツの回らないゴリけんは置いといて二人で長いこと話をしました。
番組中、ビビる、CHAGEに気をつかって話をしてた場面がありました。

そういう男なんでしょうね。
ゴリけんが慕っているところも。

「THE TIME」

この曲は、大学の音楽部が音を出すために使っていた掘っ建て小屋から始まってます。
大学の建設時、建設会社が雇っていた方達が寝泊まりするために建てたあばら家みたいな建物が、
壊されないまま残っていましたから、音を出す時、そこをそのまま使っていました。

ライブもそこでやっていましたが、
お客さんは10人も入れない。
それでも、人前で歌うことが嬉しかったんです。

「入るとはみ出る 小部屋の中で 見張りも逃げそうな音出して」

そう、
人が入ってしまうと、もうはみ出されるくらいの部屋でした。
夜中まで、バンドの練習をしていましたね。
ある時、警察に通報されまして、それからは下級生に外で見張らせましてね。

「もし、パトカーが来たらすぐに教えろ」

と。

警官に、

「いえいえ、この程度のボリュームですよ」

と、言えるくらいの音に下げるために。

しかし、やはり苦情の方が強い。
とうとう、学生部長に呼び出されまして、1ヶ月間、活動停止処分となりました。

その学生部長ですよ。
僕を、卒業されてくれたのが。

https://www.fellows.tokyo/blog/?id=3010

学生部長と親しくなったのは、その怒られに行ってからですね。
その後、用もないのに「こんちは!」って、部長室に遊びに行ってましたからね。
部長も、

「おー!座れ座れ!ちょうど暇してた」

何てこと言ってくれるわけです。
僕たちのデビューを本当に喜んでくれました。

デビュー曲「ひとり咲き」が、仕上がった時、
それを録音したカセットテープを、真っ先に届けに行きました。

「世の中で、これが最初のモノか?!」

いや、違うんですけど、

「はい、そうです。まずは先生に届けなきゃと持って参りました!」
「そうか、そうか、そんな凄いものをありがとう!!」

って、何度も握手(笑)

あばら家〜通報〜呼び出し〜1ヶ月間活動禁止〜コーヒーでも飲んで行け〜いいんすか?

全部、繋がってるんです。

どんなことも無駄なことはない。

世間が言う「ブレイク」後に、「THE TIME」を書きました。

 「どんな大事なことも どんな馬鹿げたことも
 今日のいまこのためと言える きっと言える」

今でも、そう思ってますよ。
どんなことにも意味があるって。

その意味は、そこに来て、または振り返った時にわかるものです。

人なんだよ。
すべては繋がり。

そうして、自分は今、ここに居る。

「運だけで、今日まで来れた」

これは、この先もずっとそう想い続けるでしょう。
音楽に出会うことができた。

「どこまで追いかけようか」

どこまでも追いかけなきゃね。
追いかけても追いかけても掴めないことは知っています。

見えていたものだったはずなのに、近づくほど見えなくなるんですから。


そんな出来事を思い出させてくれた「ビビる」に感謝。
選曲に感謝。

2週に渡ってのゲスト出演、
ありがとうございました。


ASKA(2022/3/22 26:38)