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TOKYO FM「Terminal Melody」15回目放送 (3)~「BIG TREE」

番組の「締め」となる曲は、

「BIG TREE」

でした。

これは、僕の勝手な思い、感覚です。
当時、音楽業界は、まさに「C&A」の動き、そして新曲の発表を待ってくれているようでした。

まだ、シングル曲のリリースの予定日も決まっていない中、
新曲のレコーディングをしてるというだけで、テレビ、ラジオを初め、
様々な媒体が、「C&A」に枠を用意してくれました。

「これまでブームになることを警戒してきた。しかし、どれだけ警戒しようとも、
なる時にはなってしまう。今『C&A』は、そのブームとなってる。
なってしまったからには、その時にどれだけのことをやれるのかに気持ちを切り替えよう。
『C&A』の活動の歴史というものが語られる日が訪れると信じて、一世一代とも言える大きな曲を書いてみよう」

そのような気持ちで書いたのが「BIG TREE」でした。

メロディの入りから仕掛けとなるよう、
「5度」のコードから入りました。

それまで作ってきた楽曲で、入り口を「5度」にしたのは、初めてでした。
「2度マイナー」や、サブドミナントと言われる「4度」から入ることは、
作曲の手法として、よく使われます。

メロディの展開におきましては、ドミナントと呼ばれる「5度」は、
メロディを解決させる(1度)ために向かうか、次のメロディ展開に向かう直前に使われることがほとんどです。

そのような「5度」を、メロディのど頭に持ってくるとどうなるのだろう?
もちろん、世の中にはそのような曲もあったでしょう。

しかし、それほど多くの音楽を聴いて来なかった僕には、
初めてのトライでした。

あの頃は、僕にとっては、なんでもありでした。

「コードワークに決まりはない」

これ、当たり前のことですが、
その「当たり前」が、更なる冒険心を駆り立てていたんですね。
今も尚「冒険」は続いています。

歌詞は、この世には存在しない景色にしたかった。
元々、「大きな曲」になることを目指して書きました。

存在しない景色・・・。

いくつも、その景色を並べてみました。
どんなものを並べたのかは、もう覚えていません。

その中で、その時見えたものが、

「海にそびえ立つ大樹」

でした。

そして、それを見ている僕には「勇気」の象徴が必要だった。
それが、なぜ「旗」になったのかの流れも覚えていないのですが、
この目でそれを見ている自分が、自分の中にいる。

「心象風景」ですね。

その昔、

「君は海を見たか」

と、いうドラマがありました。
とても心に残ったドラマのタイトルだった。

へぇ・・・。
1970年のドラマ・・・。
「倉本聰」さん、脚本だったんだ?

今、初めて調べました。

「君は見たか」

この歌詞が出てきた時に、

「『君は海を見たか」というドラマがあったな」

そう思ったことを、今、思い出しました。
内容は、「病気の子」と「そのお父さん」の物語だったということ以外覚えていません。

今、そのドラマのタイトルがあったことだけを確認して書いていますので、
内容は、後で読むことにします。

このように、作品って、
決して、何もないとことから生まれるわけではないですね。

どこか、何か記憶の一片から、それを引っ張りあげてる。
面白いですねぇ。

まるで、
アメリカドラマの「クリミナルマインド」で出てくる犯人像となる「プロファイル」を、
自分が「プロファイラー」になって、見ようとしてる。

この曲の象徴となる部分は、きっと皆さんと同じです。

「大きな海と 大きな空と 大きな旗と君だけのBIG TREE」

このメロディを形成するのは2つのコードの繰り返しです。
繰り返しって、強いんです。
僕は、ここにこの曲の全てを込めました

人の一生には、必ず「旬」というものがあるでしょう。
例え、裏返しの展開となっても、その裏返しが結果、良いことになってる。

デザイナーの西本さんは、この曲を聴いて、
心の中にある「BIG TREE」を、人の手で表しました。

ジャケットが上がった時に、

「すごい!これは思いつかなかった!!」

と、口にしたことを覚えています。

「黄昏の夕陽受けても沈まない君だけのBIG TREE」

どんなことが起ころうと、
あなたの、僕の心の中には、

決して、
たじろがない、揺るがない大きな樹がそびえ立ってることを忘れずに生きてたいですね。

あ?

今日は、その西本さんのお母様の誕生日だった。
キミちゃんの誕生日だ。

そんな日に「BIG TREE」の話をしてる・・・。

ね?
これなんですよ。

たまんない偶然を、今、皆さんと共有しています。

「BIG TREE」

あえりますよ、誰の心の中にも。

ありがとう。

なんだかわからないけど、「ありがとう」と、書いてみたくなった。

ありがとう。


ASKA(2021/5/22 22:56)