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TOKYO FM「Terminal Melody」〜第6回放送終了

今週も「中田裕二」君が、僕の音楽を語ってくれました。

1曲目は、

「no no darlin'」

でした。

昔も、当時も、楽曲のサビになると、その楽曲の「売り」となるメロディを用いることがほとんどでした。
それは、今も尚ですから、確かに「サビ」とはそういうものなのでしょう。

楽曲の印象となる部分ですからね。

「no no darlin'」をリリースした頃、C&A は、何をリリースしてもヒットした時代でした。
ふと、思ったんですね。

サビでは声を張らない、優しいメロディを作ってみようと。
洋楽では普通にありますが、日本には、そのような手法を用いた楽曲はほぼありませんでした。

CHAGEが歌うことになるであろうサビのメロデイの隙間に、
僕の声でフェイクとも言えるカウンターメロディが耳に残るようにさせてみようと。

そしてレコーディング。

サビのメロディをCHAGEが張らずに抑えて歌っているところに、
僕がフェイクを入れると、「耳に残る」ではなく、サビのメロディを殺してしまう。

場所はロンドンでしたが、スタジオにはレコード会社の女性ディレクターがいました。
このメロディを女性が歌い、それをCHAGEのボーカルが下支えする。
彼女は、他のアーティストの楽曲で、バッキングボーカルをやったことがあると聞いていましたので、
急遽、その場でサビを彼女に歌ってもらうことになりました。

すごくメロディに合った声の性質。
本当にいい。

彼女の声をサビでフューチャリングし、そのメロディをユニゾンで更にCHAGEが歌う。
CHAGEがメロディのボトムとなるわけです。

C&Aの楽曲で、初めて取り入れた手法でした。
何でも、思いついたことはやってみる。
そこにしっかりとしたイメージがあるならば。

歌詞は「木綿のハンカチーフ」が、ヒントになりました。

♪いいえ あなた〜

これを、僕は、

♪no no darlin' 雨の向こうに〜

と、男女の気持ちを1曲で表すことができればいいなと思って書いた曲です。

今日、中田君が選んでくれたのは、

「GUYS」

でしたね。

勢いのある曲を作ってみたかった。
歌詞はメロディから受ける印象を、そのまま形にしてみたかった。

中田君は、

「シャツの袖を引き裂かれそうな女がいいね」

に、反応してくれてました。

メロディが書かせた歌詞です。
本当にそのような女性がいたら、ほとんどの男性は引いてしまうでしょう。
それでも歌詞をドラマな展開に感じさせるには、あのフレーズが必要だった。

村上啓介のアレンジ。
エンディングでは冒険がありました。
コードワークだけでの広がりによる世界観を感じさせたかったのでしょう。

しかし、そのコード展開に、僕はメロディと歌詞をつけたくなった。

「五月の空を駆け回る鳥を〜」

村上啓介の計算外のエンディングとなりました。
「面白い」と思ったことは、何でもやってみる。
あれは、上手く行きましたね。

最後の曲は中田君による

「はじまりはいつも雨」

ギターバージョンになってました。
中田君の歌になっていました。

他のアーティストにカバーをしてもらう。

こんな幸せなことありません。
ミュージシャン冥利につきます。

中田君、2週続けて僕の楽曲を語ってくれてありがとう。


ASKA(2021/3/15 2:43)