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TOKYO FM「Terminal Melody」〜第3回放送終了

今週は

「PRIDE」

「花は咲いたか」
 
「C-46」

の3曲でしたね。
リクエストありがとうございました。

「PRIDE」は、当時、住んでいた玉川台の部屋で作りました。
当時は、もう、シーケンサー(コンピューター)を自由に使えていた頃でしたね。
業界の方々に、

「ASKAのデモテープはすごい」

と、言ってもらっていた頃ですね。

そんな時、この「PRIDE」だけは、シンセサイザーのパッド(ホワーっとなる音)だけで歌い、
何にも手を加えることなく、澤近泰輔に渡したのです。

「イメージはデビッド・フォスター」

という、一言だけでした。

澤近のアレンジが仕上がり、
初めて、そのイントロを聴いた時に、

「こいつ(澤近)、すげぇ」

と、思ったものです。

この楽曲は、シングルではないにも関わらず、本当に多くの方が知ってくれています。
歌詞は、もうその当時の心境を歌っています。
恋人との別れがあったわけではないのですが、そこは「歌」ですので、
創作を交え、「決して失ってはならないもの」をテーマに「PRIDE」としました。

デビュー10年を迎え、プロデューサーから、

「よく10年頑張ったな。もう、ヒット曲に拘るのはやめて、これから自分たちのやりたい音楽を作って行こう」

と、言われ、

「ヒット曲を書かなければ」

という使命による、背中の十字架を外された気持ちになりました。
「WALK」「PRIDE」、同時期の作品です。

「作りたい音楽だけを、自由に作っていけばいい」

不思議ですね。
このような気持ちになって作り出した作品から、世間が注目し始めてくれた。
と、同時に、

「音楽は自由だ」

と、いうことをどんどん胸に刻み始めました。
C&Aの活動において、明らかに流れを変えた曲になりました。


「花は咲いたか」

これは、同じくプロデューサーの松本晃彦との出会いにより、ロック色が濃くなった時に生まれた曲です。
松本は、僕の周りのミュージシャンの中でも、いち早く、ワールドワイドに目覚め、
当時、楽曲を書く前に、たくさんの洋楽を聴かせてくれました。

「打ち合わせ」として、
丸一日、スタジオで松本お勧めの洋楽を聴くだけの日が何日もありました。

「ASKAさんのロックはこれだよ」

確かに、聴かせてくれたどの曲も本当にカッコいいと思った。
音楽の指向性が同じだったんですね。
カッコ良いもの、気持ちの良いものが、同じ波長で感じあえた。

歌詞は、最後の一節がテーマの全てです。

「生きてりゃいろいろあるだろ。
だがな、どんなに悩んでいたって、朝が来たら、おはようなんだよ」

自分でも痛快な歌詞に仕上がったと思っています。


「C-46」

ロンドンレーコディング時、マンションを、地下から3階まで一棟借りし、
僕の仕事部屋を地下1階にしました。

鈴川、小笠原が、楽曲制作につきっきりでいてくれましたが、
どうしても、メロディの流れが悪い。
その日、作曲をやめたんです。

そして、真夜中、ベッドに入ったわけですが、作りかけのメロディが気になって仕方がない。
こんな時間に二人に付き合わせる訳にはいかない。
一人で、地下に戻りました。

メロディがうまく流れなかった原因は、コード進行でした。

明け方に完成しましたね。
二人が起きてきた時には完成してました。

イントロ、リ・イントロ(1番と2番のつなぎ)、ミドルエイト(間奏)、アウトロ(エンディング)、
ほぼ大枠のアレンジも出来上がっていました。

間奏のギターは、ポール・マッカートニーのバンドのギタリスト、
「ロビー・マッキントッシュ」が、1回の演奏で決めました。

歌詞は、もう語る必要もなく、そのままです。

この曲は、今は亡き「飯島愛」ちゃんの映画の主題曲になり、
「From Silence」と名を変えました。

その後、「弘兼憲史」さんが、この曲をテーマに、
「黄昏流星群」を書いてくれたんですね。

ドラマ化もされました。

僕の楽曲中でも、様々な顔を持った作品となっています。


来週は、いよいよ番組に登場させていただきます。
あの大人な感じの番組を、ぶち壊してしまいました・・・。

しょうがない。
僕を呼んだ、番組が悪い。

企画構成勝ちの「Terminal Melody」、
初めて、ミスったと思います・・・。


ASKA(2021/2/22 1:22)