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私は、これまで幾多の危機を、持って生まれた運によって切り抜けてきました。
しかし、今回の敵は、これまでの敵とは違います。

ウルトラマンで言えば「ゼットン」のような相手です。
ウルトラマン・・・。

「光の国から僕らのために　来たぞ我らのウルトラマン」

そのウルトラマンがゼットンとの戦いで、命を落としたのです。
衝撃的な最終回でした。

今、私の前にゼットンが立ちはだかっています。

もちろん、迎え撃つ覚悟で臨むことを選んだのですが、

ない・・・。
見つからない・・・。

ど、どこに仕舞ったのか・・・。
イレブンセットが見つからないのです。

へ、変身ができない・・・。

私の応援に３人の「地球防衛軍」が駆けつけてくれています。
気持ちはありがたいのですが、

彼らの必殺技は、それぞれ、

「悲鳴」
「無口」
「早口」

これだけです。

スパイ訓練は、受けていません。

まだ、３人は、私が「イレブン」であることを知りません。

ですので、

「こんな時にイレブンがいてくれたら！！」

と、私に向かって言い放ちます。

普通であれば、

「何も心配は、要らないのだよ、私を信じるんだ」

そう言えるのですが、肝心のセットがない・・・。

先日、ヤフオクで、古着を出品したときに、マントを初め「イレブンセット」を箱に詰めた可能性があります。
落札額は、190円でした。
まぁ、もうかったはもうかったのですが。←　もうかったんかいっ！！！

と、飛べない・・・。

ゼットンに「くわえハンカチ涙目攻撃」ができないのです。

スパイ仲間に、応援の連絡をしたのですが、みんな、

「カラオケ屋」
「焼き鳥屋」
「ウナギの養殖」
「パチンコ屋の開店営業」

に、潜入していますので、任務を離れるわけにはいかないと・・・。

決戦は、いよいよ明日を迎え、土壇場を迎えています。

しかし、私はイレブン。

こうなったら、奥の手、

「私を侮ってはならないぞ！！かかって来なさい！！！」

と、ゼットン側に立ち、三人の仲間を売る作戦を使うつもりでいます。

そうすれば、何とか、

私、一人だけ助かることができます。

時に、スパイは非情にならなくてはならないこともあるのです。

決戦は、明日です。

イレブン（2018/7 20 20:04）